芝生の維持費は年間でいくら、という説明はあちこちで見かけますが、その金額が12か月にどう散らばっているかはほとんど書かれていません。年間700円/㎡と言われても、毎月の家計にいくら組み込めばいいのかは分かりません。月別に分けてみると、お金が動く月とまったく動かない月がはっきり分かれます。芝刈り・施肥・散水は4月から11月に集中し、12月から2月は休眠期で支出がゼロになります。ここでは月ごとの作業と、その月にかかる円/㎡の金額を並べます。面積を掛けた年間の合計と月あたりの平均は芝生の年間維持費計算機が出すので、このページでは月別の内訳と作業の順番だけを示します。

まず前提を1つに絞ります。このカレンダーは、暖地型の高麗芝・野芝を自分で管理する場合のものです。芝刈りは自分で刈り、肥料と目土と除草剤は買って自分で散布し、足りない水だけ散水する、という構成です。芝刈りを業者に依頼すると月ごとの金額は大きく変わり、その違いはあとで別に示します。金額の計算に使う単価は、化成肥料の小袋400円/kg、目土30円/L、水道料金250円/m³、芝生用除草剤は年2回の全体散布で60円/㎡・年、刈刃・燃料・手袋などの消耗品は50円/㎡・年です。

芝生の月別管理カレンダー(自分で管理する場合・円/㎡は1㎡あたりの金額)
芝刈り(回)施肥(g/㎡)散水(L/㎡)肥料+水道代(円/㎡)
3月008721.75
4月1408737.75
5月2408737.75
6月22532591.25
7月3032581.25
8月3032581.25
9月2308733.75
10月1308733.75
11月008721.75
12月0000
1月0000
2月0000
年間合計141651,497440.25

表の円/㎡は、施肥量を1,000で割って400円/kgを掛けた肥料費と、散水量を1,000で割って250円/m³を掛けた水道代の合計です。たとえば6月は肥料25gで10円、散水325Lで81.25円、合わせて91.25円/㎡になります。この表には目土・除草剤・消耗品・芝刈りの委託費は含まれていません。それらは月ごとに動く項目ではないため、次の表に分けて示します。

年に1〜2回しか動かない項目(円/㎡・年)
項目目安の量金額(円/㎡・年)時期
目土厚さ0.5cm=5 L/㎡150(30円/L)春(4〜5月)か秋(9月)に年1回
除草剤年2回の全体散布60春と秋の雑草の発生期
刈刃・燃料・手袋などの消耗品芝刈り14回に分散50通年(4〜10月に実質的に集中)
芝刈り(自分で刈る)年間14回0(消耗品50円に込み)4〜10月
芝刈り(年2回だけ業者に依頼)春と秋の2回600依頼した月
芝刈り(年4〜6回の定期管理を依頼)成長期に合わせた定期1,100依頼した月
芝刈り(月1回の管理契約を依頼)4〜10月の毎月1,5004〜10月の毎月

2つの表を足すと、年間の維持費の内訳ができます。肥料66円+水道代374.25円+目土150円+除草剤60円+消耗品50円で700.25円/㎡・年、芝刈りは自分で刈るため0円です。これが当サイトが標準として掲げている700円/㎡・年で、面積20㎡なら年間14,005円、月あたりの平均は1,167円です。ここに年4〜6回の定期管理を足すと1,800円/㎡・年に上がり、同じ20㎡で年間36,005円、月あたり3,000円になります。この2つの金額は計算機の出力そのもので、月別の表はその内訳を月に割り直したものです。

月別の表で一番はっきりするのは、支出の偏りです。肥料と水道代の年間440.25円/㎡のうち、6〜8月の3か月だけで253.75円/㎡、約58%を占めます。散水量に限れば年間の1,497L/㎡のうち975L/㎡、約65%がこの3か月です。逆に12〜2月は散水も施肥もゼロで、支出は0円/㎡です。作業があるのは3月から11月までで、その7か月の月平均は約63円/㎡になります。年間の月あたり平均を単純に12で割ると約37円/㎡なので、月々の予算を均等に組むと夏に足りず冬に余ります。

月への割り当ての根拠も示しておきます。季節別の施肥量(春80・夏25・秋60 g/㎡、冬は0)と季節別の散水量(春・秋は87L/㎡・月、夏は325L/㎡・月、冬は0)は、そのまま芝生肥料計算機芝生散水量計算機が使っている値です。このページでは、季節の中のどの月に当てるかだけを割り当てました。春の2回(各40g)は4月と5月、秋の2回(各30g)は9月と10月、夏の1回(25g)は6月です。夏の施肥を6月に置いたのは、盛夏の7〜8月に肥料をやると肥料焼けで芝を痛めるためで、梅雨に入って生育が活発になる6月に当てるのが安全だからです。割り当てを変えても合計は施肥165g/㎡・散水1,497L/㎡で変わらず、年間の金額は動きません。

  1. 3月は作業より準備の月

    芝は動き始めますが、刈る高さにまだ達していません。散水は春のパターン(87L/㎡・月)に入るので水やりの習慣だけは始めておきます。この月にやるのは落ち葉と枯れ葉のかき取りと、道具の点検です。芝刈り機の刃を確認しておかないと、4月の初回の刈り込みで芝を引きちぎってしまいます。

  2. 4月に初回の芝刈りと芽出し肥

    芝が伸び始めたら初回の刈り込みを行います。刈り高さは30〜40mmと高めにして、いきなり短く切らないのがこつです。同時に1回目の施肥(40g/㎡)を行います。ここで芝が青く揃うと、そのあとの管理のリズムがつかめます。

  3. 5月に回数を上げて目土を入れる

    芝刈りは月2回に増やし、刈り高さは20〜30mmに下げます。2回目の施肥(40g/㎡)もこの月です。目土を入れるならこの時期で、厚さ0.5cm(5L/㎡)を上限に薄く均します。必要な量は目土必要量計算機で面積から出せます。2cm以上厚く敷くと芝が窒息して弱るため、欲張らないことが大切です。

  4. 6〜8月は散水が主役で肥料は6月だけ

    散水は15mmを週5回、月に325L/㎡まで増えます。朝夕の2回に分ける場合は1回7〜8mmです。芝刈りは月3回が最も多い月で、この2か月に労力の山が来ます。肥料は6月の1回(25g/㎡)だけで、7月と8月はやりません。盛夏の施肥は肥料焼けの原因になるためです。雑草もこの時期に最も出るため、除草剤を散布するなら春の1回目を5月前後、2回目を9月に置くのが一般的です。

  5. 9〜10月に秋肥をやって刈り込みを締める

    残暑で芝はまだ伸びるため、9月は月2回刈ります。秋の施肥は9月と10月に各30g/㎡です。10月の最後の刈り込みは刈り高さを30〜40mmに戻し、短く刈り込んだまま冬に入らせないようにします。ここで短くしすぎると、冬の寒さで芝が傷みます。

  6. 11月以降は落ち葉だけ拾う

    11月は生育が止まるため刈りませんが、散水のパターンはまだ秋(87L/㎡・月)です。乾いた日が続くようなら水をやります。12月から2月は休眠期で作業はなく、支出も0円/㎡です。落葉樹が近い庭では落ち葉が芝を覆うと蒸れて傷むため、拾うだけの作業は続けます。

  • 月々の予算を夏に合わせて組む

    年間の月あたり平均で予算を組むと、6〜8月に足りなくなります。支出が集中する3か月だけ多めに見積もっておくと、夏の水道代で予算が崩れません。面積を掛けた実際の金額は計算機で月あたりの平均まで出るので、それを12で割らずにこの表の比率で配分してください。

  • 刈り遅れを防ぐ目安として使う

    7〜8月に月3回必要なのは、芝の生長が最も早い時期だからです。1回の刈り込みで葉の長さの3分の1以上を切ると芝が弱るため、忙しくて2週間放置したあとは一度に短くせず、数日おきに2回に分けて高さを戻します。回数が足りない月が続くと、この対処が毎回必要になります。

  • 業者に頼む月を決める

    年2回だけ依頼するなら、芝が最も見苦しくなる前の6月と、冬に入る前の10月が効果的です。年4〜6回の定期管理なら5月から9月に集中させます。月1回の管理契約は4〜10月の毎月で、自分で刈る14回よりは少ない回数ですが、刈り高さを揃えた仕上げが入る分だけ単価は高くなります。

  • 面積が分からないときは先に測る

    このカレンダーの金額はすべて1㎡あたりです。庭の芝生の範囲が曖昧なまま掛けると、年間の合計が大きくずれます。まず芝生面積計算機で面積を出してから、計算機にその値を入れてください。

自分で刈る場合と業者に依頼する場合の差は、月別の表では芝刈りの行だけに現れます。自分で刈ると芝刈りの項目は0円で、代わりに刈刃・燃料・手袋などの消耗品50円/㎡・年と、4〜10月の14回分の時間がかかります。年4〜6回の定期管理を依頼すると1,100円/㎡・年が上乗りされ、月1回の管理契約では1,500円/㎡・年になります。20㎡の庭なら年間の合計は14,005円から36,005円へ、月あたりでは1,167円から3,000円へ動きます。この差が10年でどう効くかは、天然芝と人工芝の選び方にも影響します。人工芝はこのカレンダーの大半が不要で、刈り込み・施肥・散水がなく、落ち葉の清掃と隙間から出る雑草抜き、パイルを起こすブラシ掛けだけになるため、年間維持費は100〜400円/㎡・年です。10年の累計でどちらが安いかは天然芝・人工芝比較計算機で確かめてください。

月別の芝刈り回数と刈り高さ、季節別の施肥量と散水量、目土・除草剤・消耗品・芝刈り委託の項目別単価は、芝生の年間維持費計算機の入力欄の既定値と同じ値で、根拠は施工単価データに一覧しています。月への割り当て(春の2回を4月と5月に、夏の1回を6月に、秋の2回を9月と10月に置くこと)は当サイトの割り当てで、地域・品種・日当たりで前後します。割り当てを変えても施肥165g/㎡・散水1,497L/㎡の年間合計は変わらないため、年間の金額は動きません。計算の考え方と免責事項についてはこのサイトについてをご覧ください。