庭の仕事では、同じ広さに対して3つの単位が同時に現れます。図面は平米、見積書は坪、施主の話は畳です。しかも畳の1枚は地域で実寸が変わるため、坪と畳を往復させるたびに端数が動きます。このページでは、本文を自分で再取得して照合できた定義値だけを置き、そこに当サイトの坪↔平米の換算機が持っていない「畳種別ごとの1坪あたり枚数」を足して表にしました。ツール側が既に持つ計算式や単価の再掲はしていません。

まず法的な前提から。経済産業省の計量法Q&A(単位)には、坪・帖など尺貫法の単位は「取引又は証明」に使えないと書かれています。同じ回答の中で「証明に用いる平方メートルと併せて、取引又は証明に用いない参考値として併記することは妨げない。ただし、例えば『○○m2(○○坪)』のように『()』を付けるなどにより参考値であることを明確にする必要がある」と続けられており、括弧書きの添付だけが開かれています。つまり見積書の金額の根拠は常に平米側で、坪は添え物という整理です。したがって「1坪=3.305785㎡」は計量法が定めた数値ではなく、1尺=10/33メートルから自分で割り出した導出値として扱っています。導出は次の1行です。1間=6尺=20/11メートル、1坪はその間の正方形なので (20/11)×(20/11)=400/121=3.3057851239669422㎡。表示は3.305785としています。

尺貫法の基準単位とメートル換算(1尺=10/33m から自己算出した有理数値)
単位定義メートル換算逆算
寸1尺の10分の130.3030mm1m=約33.030寸
尺10/33 m303.030mm=0.303030m1m=3.3尺ちょうど
間6尺の長さ(坪は一辺1間の正方形)1.818182m1m=約0.5499間
坪6尺×6尺=36平方尺=400/121 m²3.305785㎡1㎡=0.3025坪
平方メートル計量法の単位(取引又は証明はこちら)121/400 坪1㎡=0.3025坪

1㎡=0.3025坪という逆数は 121/400 の厳密値で、端数がありません。坪→平米は坪数を0.3025で割る(1÷0.3025=3.305785…)のが定石で、大蔵屋の早見表もSUUMOも同じ割返しを使っています。ここまではどの換算サイトにも書いてある内容です。ここから先が今回の本題で、畳の話です。

畳の寸法は公的な規格番号として取得できませんでした。ここでは建具メーカーのDAIKENが地域別に列挙した実寸、および不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第11条の表示ルールを使います。同条(16)は「住宅の居室等の広さを畳数で表示する場合においては、畳1枚当たりの広さは1.62平方メートル(各室の壁心面積を畳数で除した数値)以上の広さがあるという意味で用いること」と規定し、同条(13)は「面積は、メートル法により表示すること。この場合において1平方メートル未満の数値は、切り捨てて表示することができる」としています。つまり表示される畳数は、実寸ではなく1.62㎡以上の下限制で読み替えられた数字です。1.62㎡は縦180cm×横90cmの面積そのものなので、表示規約用の寸法として表に併記しています。

畳の種別ごとの実寸と、坪との往復換算(面積=縦×横/1,000,000、枚数=3.305785÷面積)
畳の種別寸法 mm(縦×横)1枚の面積 ㎡1坪=何枚6畳の面積 ㎡6畳=何坪
京間(本間・関西間)1910×9551.824051.81210.94433.3107
六一間(広島間・安芸間)1850×9251.711251.93210.26753.1059
中京間(三六間)1820×9101.656201.9969.93723.0060
江戸間(五八間)1760×8801.548802.1349.29282.8111
団地間(五六間)1700×8501.445002.2888.67002.6227
表示規約の基準1800×9001.62002.0419.72002.9403

この表から読める一番実用的な事実は、「1坪=畳2枚」がほぼ正確なのは中京間だけだという点です。1.996枚なので2枚と言って差し支えありませんが、京間だと1.812枚、団地間だと2.288枚で、同じ「坪2枚」のはずが1割以上ずれます。表示規約の1.62㎡で割り戻すと1坪=2.0406枚、6畳=9.720㎡=2.9403坪です。六畳間の面積だけを並べると最大(京間10.9443㎡)と最小(団地間8.6700㎡)の差は2.2743㎡、坪で0.688坪あります。10㎡のスペースを畳に直す練習をすると差がよりはっきりします。京間なら5.482枚、団地間なら6.920枚、表示規約なら6.173枚で、最大と最小は1.44枚違います。これを30㎡の庭に置き換えると16.447枚から20.761枚まで4.31枚の幅になり、「庭を畳で何枚分と言われた」の解釈は単位系を指定しないと決まらないことが分かります。

混同しやすい点をもう一つ。換算ツールや解説ページの多くは既定値に江戸間の1.5488㎡を置いており、表示規約の1.62㎡とは1枚あたり0.0712㎡差です。6畳に換算すると0.4272㎡、約0.13坪がどこかへ消えます。ハウスメーカーのパンフレット通り6畳=9.72㎡と思っている部屋に、江戸間基準で畳を注文すると足りなくなる、という方向のズレです。庭の面積を畳で施主に伝える時は、先に㎡側で数字を出して面積計算を確定させ、畳は参考値として括弧で添える形が安全です。平米↔坪の往復そのものは計算機が既に持っているので、当ページでは表の軸を増やす役割に留めています。

庭まわりで見かける単位の横断表(何が数えられる単位で、どちらに接続するか)
単位何を図るか基準・言い換え当サイトの接続
㎡(平方メートル)面積計量法の単位。取引・証明はこちら側庭の面積計算
坪面積・見積400/121=3.305785㎡(参考値として併記)坪と平米の換算
畳・帖面積(表示下限)表示規約では1枚1.62㎡以上上の畳の一覧表
立米(m³)土・砂利・客土の量1立米=1,000L土量と立米の計算
L(リットル)容積・袋の中身1,000L=1立米資材の袋容量と購入単位
kg重さ体積にかける比重で決まる資材の比重・密度データ
t(トン)重さ・山売り1t=1,000kgkgとトンの重量換算
本・株植木・草花1本=1株で数えるのが庭の商習慣植える本数の計算
袋資材の販売単位L表示とkg表示が混在する同上の袋容量ページ

横断表の下の4行は、庭では面積より出番が多い単位です。土や砂利は立米、肥料と袋資材はLかkg、植木は本や株で数えられます。立米とリットルの関係は1立米=1,000Lで固定ですが、Lとkgの往復は資材ごとに比重が違うため一定しません。比重の数値そのものは資材の比重・密度データページに一覧があるのでここでは再掲せず、購入単位としての袋・パレット・軽トラックの目安は同日に作った袋容量と購入単位のデータページにまとめています。面積→数量→重さ→費用という単位の流れを計算に落とす場合は、各計算機を経由してください。作業日数への換算は施工日数計算が10㎡/人日などの実績生産量を持っています。

転記しなかった項目も開示します。尺貫法の体積単位(こく等)は木材商社の用語集に行き当たったものの本文の数値を機械的に検算できず、表に含めていません。畳の寸法は上に書いたとおり公的規格を取得できていないため、建具メーカーの表に基づく参考値です。帖と畳の使い分け(和室は畳、洋室は帖)も業者の解説文レベルの情報にとどまり、規約本文の定義は見つかりませんでした。数値を推測で埋めることはしていません。