庭の地面の仕上げ・防草・下塗りに一番よく使われるのに、真砂土の説明は「よく締まる」「水はけが良い」で終わることが多い土です。同じ真砂土でも、どれまで締めたかという物差し、敷く厚さと袋数、散水の量、雨が降ったときの崩れ方まで数値で書いている資料は多くありません。このページでは、試験機関が公表する締固めの管理値、舗装材メーカーの施工手順と歩掛り、住宅地盤分野の解説、実売の配達込み価格を並べ、当サイトの計算がどこを出典とずらしているかも伏せずに書きます。舗装の層構成そのものは駐車場の砕石路盤のページが所持しており、ここでは繰り返しません。

土を締めた結果を比べる物差しがDc値です。土木管理総合試験所は「Dc値(%)=現場で測定された締固め土の乾燥密度÷締固め試験から得られた最大乾燥密度×100」と定義しています。分子の乾燥密度は現場で実測した重さ、分母の最大乾燥密度は試験室で決められた手順で突き固めたときに到達できる最大の重さです。同じ土でも、現場がその最大値の9割まで締まっていればDc値90%になります。同社は管理値について「工種によりますがDc値は90%や95%が用いられる事が多いです」としており、庭の下塗りや園路で後々の差になるのは、この9割に届いているかどうかです。届いていない層は、あとから車の重さや歩行で押し固められて沈みます。

土の締固めを管理する指標(試験機関が挙げる3つの方式と、それぞれが出す値)
管理の方式指標出典が示す値庭で読み替えると
密度による管理Dc値(締固め度)90%や95%試験室で締めた状態からの到達率。届かない層は後から沈む
空隙の量による管理空気間隙率(Va)=土中の空気の体積÷土の全体積×10010%以下隙間が多いと水が抜けて乾燥しやすく、表面も崩れやすい
空隙の量による管理飽和度(Sr)=土中の水の体積÷土中の間隙の体積×10085%以上同社は空気間隙率と合わせて「空隙の少なさを保証する管理方法」と説明する
手順そのものを決める管理工法規定方式数値は現場ごとに決定締固め機械の機種・まき出し厚・転圧回数を事前に決め、履行を確認する

締め固めやすさは含水状態しだいです。同じ出典は締固め試験の結果について「通常、最適含水比は、飽和度が70〜95%付近となります。また、空気間隙率では、15%以下で多くは10%以下となることが多いです」と、曲線から読み取れる状態を示しています。そして失敗モードを「自然含水比が著しく高い細粒土を転圧すると、密度がほとんど増加しない場合があり、このような土では、現場で所定のD値(密度管理値)を達成することが出来ません」と明記し、その場合は空気間隙率や飽和度で施工管理を行うと続けています。庭で起きるのはこれと同じで、雨上がりや水はけの悪い面に真砂土を足してならし、踏み固めても叩いても締まらない状態です。試験をしないDIYでは、「水が引かない面では厚く敷いても密度が上がらない」「乾いた日にやり直す」という運用の結論になります。

車輪が通る面に真砂土系舗装材を使うときの施工条件(メーカーが公表している手順のまま)
工程出典の指定数値
下地クラッシャランC30を敷設して転圧し、排水勾配をつける100mm以上
敷均し配袋量(施工厚40mmの場合)3.2袋/㎡
敷均し目地の設置間隔5m以内
第一転圧専用ローラーで、最初に端部から1往復
表面整正木コテ・プラスチックコテまたはレーキで不陸整正金コテは使用しない
基本散水表面に水が浮き上がる程度の散水を5〜10分置きに3回11〜12L/㎡(施工厚40mm)
透水確認施工面を掘り込んで浸透具合を目視水が施工厚の2/3以上に浸透
第二転圧散水終了後、専用ローラーで。端部より開始3往復
第二転圧の時機散水からの待ち時間夏季10〜15分後・冬季25〜30分後

この配袋量は、一日に施工できる面積の目安とも一致しています。同じ資料の標準歩掛り(舗装工)は、平面施工(t=40)で日当たり100㎡あたり材料320袋(ロス含む)、土木一般世話役1.0人プラス普通作業員4.5人、諸雑費は労務費の18%とします。100㎡で320袋ですから1㎡あたり3.2袋で、上の配袋量と同じ値です。防草目的の標準歩掛り(t=30)は240袋、世話役1.0人プラス普通作業員3.5人で、使用数量は施工厚30mm・2.4袋/㎡(60.0kg/㎡)を目安と明記されています。人が歩くだけの面なら30mmの帯、車が乗る面なら40mmの帯という分け方が、出典の歩掛りそのものに入っています。

ここで、当サイトの計算と業者の歩掛りの数値がずれる理由を伏せずに書きます。メーカーの指定は60.0kg/㎡を2.4袋で割って1袋25kgです。そして施工厚30mmで60.0kg/㎡ですから、面積あたりの重さを厚さで割ると60.0kg÷0.03m=2,000kg/m³、つまり見かけの密度2.0t/m³になります。舗装工の3.2袋×25kg÷0.04mも同じ2.0t/m³です。「ロス含む」と注記されている通り、この2.0t/m³には転圧で沈む分と、こぼれ・つき固め中の ロス が込みで入っています。一方、当サイトの真砂土必要量計算が使う比重は1.7t/m³で、これは正味の状態の密度です。1.7t/m³で40mmを敷くと68kg/㎡、出典と同じ25kg袋なら2.72袋/㎡、当サイトの袋規格(20kg)なら3.4袋/㎡になります。業者の3.2袋/㎡との差0.48袋が沈みとロスの予備分であり、当サイトの標準の余裕率10%を掛けても74.8kg/㎡=2.99袋/㎡にとどまります。どちらかが間違いではなく、沈み込みを数量に込みで見るか別枠で足すかの違いです。車が通る面を発注する場合は業者の配袋量が実務値、当サイトの計算は正味量プラス10%という口径で読んでください。敷く厚さと正味量は 真砂土必要量計算 で出せます。

真砂土は水に強い土ではありません。住宅地盤品質協会の解説は、花崗岩が風化してできた「マサ土」について、風化が進行したものは降雨の際に強度低下を起こすため、「時間雨量が20〜30㎜以上の降雨があると、斜面崩壊が起きやすい土質である」と記しています。時間雨量20〜30㎜は、1時間に20〜30mmの雨が降る規模です。同じ記事は、広島県が指定する土砂災害危険箇所が全国最多の約32,000箇所に上るという背景も添えており、傾斜地の庭で表土が動く条件としても読めます。

法面(のりめん)と搬入の条件(メーカーの注意事項と施工サービスの制限)
条件出典の値意味
傾斜角度1:1.5(約35度程度)縦1に対して横1.5の勾配まで。これより急な面は対象外
法長法長2m以下傾斜面の長さの上限
滑落対策下地ネットを法肩部分から設置材料の滑落防止およびひび割れ軽減
搬入路道幅3m・高さ3.5mが必要満たさない場合は施工できない
対象外屋上・ベランダ等は対応外排水と荷重の条件が違う
水が湧く場所施工できない地下水流等により水が湧出している箇所

施工できる日の条件も公表されています。固まる土の施工サービスは「年間平均気温が0度を下回らない地域のみの対応となります」「施工当日の気温が氷点下となる場合は施工ができません」「施工当日が雨天の場合は施工しません」と続けています。土そのものを買う場合も同じで、奈良県の販売元は「採取場より直接お届けしますので雨天日や雨天日の直後は配達不可となる場合がございます」としています。雨のあがった直後は地盤が含水しすぎており、転圧しても密度が増えないという含水状態の失敗モードと、配達を止めている条件は同じ理由です。

締めることと並んで散水が結果を左右します。固まる土の施工手順を公開しているメーカーは「製品によって異なりますが、通常の現場では15リットル/㎡以上、法面など水が流れやすい現場では30リットル/㎡程度が目安です」としたうえで、「散水過多による白化」「散水不足による硬化不良」を落とし穴として挙げ、散水後は施工面が固まるまで1週間程度の養生期間を設け、夏季はブルーシートで覆って散水の蒸発を防ぎ、冬季は凍結防止のため養生マットなどで保温養生を行うと書かれています。強度の数値も公表されています。舗装材メーカーは「JIS R 5201」に準じた試験結果として圧縮強度20.0N/m㎡以上、曲げ強度3.40N/m㎡以上を挙げており、専用の転圧と散水を省略するとこの強度に届かない前提で読むことになります。一方で同じ資料は、施工後も骨材の飛散(剥離)が生じること、表面の粒子が取れやすいことも注意点に挙げています。

実売の配達込み価格と当サイトの換算(奈良県の販売元・税込。円/m³は当サイトの計算)
車両公表価格(配達込み・税込)目安の積載体積円/m³(当サイト換算)
2tダンプ31,900円約1.2m³26,583円
4tダンプ38,500円約2.5m³15,400円
10tダンプ59,400円約6m³9,900円

円/m³は公表価格を目安の積載体積で割った当サイトの計算で、2t車で1m³あたり26,583円、10t車で9,900円になります。車両が大きいほど1m³の単価が下がる並びです。同じ表から重さと体積の関係も読めます。2t車を1.2m³で積む前提なら1m³あたり約1,667kgで、当サイトの計算が使う真砂土の比重1.7t/m³とほぼ同じ水準です。なおこの販売元は畑土も同じ価格表を掲げており、真砂土と畑土の価格差は出ていません。

このページの主語は真砂土の使い方です。舗装を何層にわけるか、路盤材のC-40・RC-40・M-40をどう使い分けるか、横断勾配の標準値は 駐車場の砕石路盤 が所持しており、ここでは繰り返しません。土や砂利の比重・密度の一覧は 資材の比重・密度データ一覧、1袋が何Lで1m³が何袋かという袋規格は 資材の袋・容量換算データ が持っています。土量から体積や運搬本数への変換は 土量・体積換算 を使ってください。

  • 庭で締める作業に置きかえると

    Dc値90%は「試験室で最大まで締めた重さの9割」です。家庭のランマーや踏み固めで目指すのは、厚く敷いて表面だけ固めることではなく、薄い層を何回も分けて押さえ、到達率を上げることです。含水しすぎの日はどんなに押さえても密度が増えません。

  • 車で通る面と歩く面の分け方

    歩く面・防草目的は施工厚30mm帯、車が乗る面は40mm帯が目安の分け方です。車が通る面では下地に砕石を100mm以上入れてから表層を真砂土系材料にします。層構成そのものは駐車場の砕石路盤のページが扱っています。

  • 雨が心配な傾斜地では

    風化した真砂土は時間雨量20〜30㎜の降雨で崩れやすいとされています。法面に使う前提として1:1.5より急な面は避け、下地ネットを法肩から入れるのが出典の指定です。