芝刈りの基本とされる3分の1法は、実は1つのページに式も表もそろっていません。伸ばしてよい上限を求める式を持つ解説と、目標の刈り高ごとの表を持つ解説が分かれていて、刈りすぎた芝から逆算したときに出る端数を、芝刈り機の実在する設定にどう寄せるかを書いたページも見当たりませんでした。このページでは、式、表、逆算の3方向を同じ場所にのせ、刈り高さ別の頻度を日ごとと月回数に換算して並べます。割れている部分、つまり丸め方と単位の違いは消さずに残しました。

数値の言い分が分かれるのは、次の4点です。1つめは刈る前の上限を求める式の有無で、一般式を書いた解説と、計算例と表だけ載せた解説があります。2つめは刈りすぎた芝の逆算で、端数がそのまま残る値と、切りが良い数値に分かれます。3つめは刈り高さ別の頻度で、日単位、週単位、月単位という3つの物差しが別々のページに使われています。4つめは刈り込み方向と刃の手入れで、方向の数の数え方が違い、研磨の点検周期は単一の実例に頼っています。品種別の手入れ回数、季節ごとの刈り高さ、年間の暦は、このページでは扱いません。

原則の言い方から揃えます。管理する庭向けの解説では、3分の1法とは、1回の芝刈りで芝の全長のうち上から3分の1以上は刈らない、という基本原則だと定義されています。同じ解説に計算例もあり、芝の高さを20mmに保ちたい場合は、芝が30mmまで達したことを確認してから、全長の3分の1にあたる上部から10mmのみを刈り取ります、と書かれています。この2つの文はセットで読めば1つの式になりますが、その式として書き下した形はこのページにはありません。

式を持つ側は、造園資材メーカーの解説です。安全な刈り込みのタイミングを知りたければ、設定した刈り高を2/3で割る、つまり1.5倍して、芝を何cmまで伸ばせるかを計算します、と書かれています。適正な刈り高を知りたいときは、芝の高さを測って2/3を掛ける、という逆向きも同じページにあります。このメーカーは名称についても、1/3ルールではなく、芝の2/3以上は残すという言い方のほうが分かりやすい、としています。式はこの出典に任せ、目標別の数値を持つのは別の解説記事です。下の表の上限の列は、その記事の表から取りました。

3分の1法の刈り前上限(式は刈り高を2/3で割る=1.5倍、表の数値は別出典、導出した関係は当サイト)
目標の刈り高刈る前に達してよい高さ式での導出出典の言い分
20mm30mm20×3÷2上限の値も計算例も、表を持つ解説記事に実在する
25mm37.5mm25×3÷2同じ条件で刈る前は38mm以下でなくてはいけない、とする別の出典もある
30mm45mm30×3÷2表に実在する
35mm52.5mm35×3÷2表に実在する

ここで1つの丸め差が出ます。目標25mmを式で導くと37.5mmですが、別の出典は38mm以下としています。0.5mm分の差で、切り上げた値と読めますが、そう書いた出典に理由の記載はないので断定はしません。表には両方の値を並べ、どちらを優先するかは芝刈り機の目盛り側で決めることになります。

刈りすぎた芝からの逆算(自生している長さから刈れる量と結果の刈り高、機械の実設定との差)
刈る前の長さ3分の1として刈れる量刈りあがる高さ機械の設定
30mm10mm20mm実在する設定の高さ
40mm13.3333mm26.6667mm切りが良い数値で言い換えた解説があり、実在する設定は30mmか40mm

逆算の列は、出典が丸めた値ではなく、当方が厳密に割った値を載せています。40mmの芝から3分の1を刈ると13.3333mmで、残る高さは26.6667mmです。出典側は13mmと27mmとして書き、27mmの刈り高設定は芝刈り機に基本ないため、少し長めの30mmや40mmに設定して刈ると続いています。上の表では厳密値と、その寄せる先を分けて列にしました。機械にない高さを作るのではなく、端数をどちらへ丸めるかを選ぶ、という話です。

刈り高さ別の頻度(日ごと・週ごと・月ごとの3物差し、換算は当サイト)
刈り高出典の言い方同じ頻度を別単位に換算出典
10mm7日に1回週約1回個人の実例をまとめた解説
20mm10〜14日に1回月あたり2.14から3回同じ解説で、週1回から2回とする出典も同じ刈り高にある
20mm成長期は週1回から2回3.5〜7日に1回器具を販売する解説
30mm14〜21日に1回月に約1.4回から2.1回個人の実例をまとめた解説
30mm成長期は月に3回から4回約7.5〜10日に1回器具を販売する解説
10mm(競技場)フェアウェイは週2回から3回約2.3〜3.5日に1回器具を販売する解説の対照
50mm(競技場)ラフは2週間〜4週間に1回月約0.75〜1.5回同じ対照

同じ刈り高20mmで、10〜14日という列と週1回から2回という列が並びます。日ごとに換算すると週1回から2回は3.5〜7日なので、10〜14日より短い間隔です。逆に月回数に換算すると10〜14日は月あたり2.14から3回で、30mm側の月に3回から4回と下側がわずかに重なります。幅の位置がずれる理由は、出典が成長速度の前提を違う庭で置いているからと読めますが、その説明はありません。月あたり回数の列は、当方が30日で割って求めました。

頻度は上限ではなく下限として扱う、という言い方もあります。器具を販売する解説では、3分の1法は芝生を傷めない最低限の頻度で、切れ味の良い機械で頻度を高く刈り込むほど密度が増しきれいになるため、ルールを最低限守ったうえでそれ以上の頻度で刈るのがコツ、とまとめられています。刈る前の高さを決める式と、刈る回数は、別の物差しだということです。

  • 刈りどきの高さ

    葉先から3分の1以下を刈るのが原則としたうえで、日本芝は4〜5cmくらい、西洋芝は6cmくらいになったら刈り込む、と機械のメーカーが書いています。西洋芝は暑さに弱いので日本芝より少し長め、という但し書きが続きます。

  • 刈り込み方向

    メーカーの整備解説では、縦、横、対角線と毎回方向を変えると刈りムラなく仕上がる、とされています。別の個人サイトは、縦に刈った後は横、または斜めに刈るように同じ場所をいろいろな方向から刈ると書き、外構会社の解説は1方向ではなく縦方向と横方向の両方から刈るとしています。数え方が3通りあるので、このページでは統合しません。

  • 刈りカスの始末

    刈りあとは竹ぼうきなどで掃除をして、刈りカスを残さないようにする、とメーカーの解説に書かれています。残すと空気の通りを妨げるという整理は、目土や更新作業を扱うページ側が持っています。

  • 天候

    雨の日と朝露が出ている日は避ける、というまとめ方があります。芝が濡れた状態では草が寝て刃がうまく通らず、仕上がりが悪くなる、という理屈が続きます。

  • 伸びすぎた芝

    一度にたくさん刈ると、芝に負担がかかり弱ってしまう、と外構会社の相談解説に書かれています。同じ解説は、1回で刈るのは高さの3分の1以下が原則だとも書いていて、上の3分の1法と同じ方向です。つまり伸ばしすぎた庭では、1回で目標の高さまで合わせに行くのではなく、刈る前の上限を守ったまま何度かの刈り込みで近づいていくことになります。この回数とかかる日数は、庭の伸び方と機械の目盛り次第です。

  • 研磨は2種類

    器具を販売する会社自身の解説では、研磨は簡易研磨と特殊研磨の2種類に分かれます。簡易研磨は専用の研磨剤をつけて回転刃を逆回転させ、下刃と擦り合わせる方法で、利用者が自分でできます。切れ味が戻らない、すぐ悪くなるようになったら特殊研磨が必要とされ、特殊研磨は機械をお預かりして下刃を交換し、回転刃を工場で研磨します。

  • 研磨の回数が機械を縮める

    特殊研磨をすると回転刃の径が小さくなり、特殊研磨を2回すると次は回転刃を新しいものに交換する必要がある、と同じ解説に書かれています。研磨を無制限に選べるわけではない、という条件です。

  • 点検の周期は単一の実例

    個人ブログの研磨の目安表では、軽く週1回程度刈る庭は約2〜3か月に1回程度研磨をチェックし、必要なら研磨するとされています。同じ表で、使用頻度が高い庭は月1回程度研磨または刃先のチェックを強めにする、とあります。芝の種類、使用頻度、小石の有無、保管状態で変わると前置きされた単一の実例なので、当サイトは断定しません。

  • 研磨そのものの所要時間

    研磨作業自体は半分から1時間程度で終わることが多い、と先の個人ブログが書いています。作業時間と刈り取り面積の関係は、下の計算機が扱っているので、このページでは幅を作りません。

  • 刃を傷める異物

    目土に使う砂には粒径2mm以下のものを選ぶべきで、2mmを超える礫が混ざると粒が芝生の上に残り、美観を損ねるだけでなく刈り込みの際に刈り刃を傷める原因になる、と造園資材メーカーの解説に書かれています。刃の話と土の話がこの1文でつながっています。

数字の選び方を分けておきます。伸びている芝の高さから刈り高を決めたいときは、刈った高さに2/3を掛ける方向です。いつ刈るかの限界を知りたいときは、設定した刈り高を2/3で割る、つまり1.5倍した高さまで伸ばしてよい、という方向になります。機械の目盛りとの関係、庭の広さと作業にかかる時間、年間の作業の回数は、それぞれ別のページと計算機が持っています。芝刈りの時間と回数の計算機で広さを入れておくと、上の表で選んだ頻度を自分の庭の日にちになおせます。季節ごとの暦と品種別の伸び方は、芝生の手入れカレンダーと芝の種類の選び方に書いています。目土と更新作業の順番は、目土とエアレーションの時期が担当します。