設計事務所の配置図にも、不動産会社の平面図にも縮尺が書かれています。100分の1なら図上の1cmが実物の1m、250分の1なら2.5mです。この図面から庭の面積を読もうとして、縮尺を1回だけ掛ける人がいます。長さなら1回で合っています。面積は形が違うので、縦に縮尺分、横に縮尺分、つまり2回掛けなければなりませんでした。100分の1の図面で図上1cm四方の区画は、実物では1m掛ける1mの1平方メートルです。この2乗の一段階を飛ばすと、庭の広さは100倍の読み違えになります。このページは、縮尺から実面積に直す手順、方眼を載せて概算する方法、図面と実測が合わない理由の診断、印刷で縮尺が壊れる落とし穴を並べます。実測で辺を取る側の手順は庭の面積の測り方が持っていて、㎡と坪の値そのものは単位換算のページの専有なので、ここでは繰り返しません。
まず、縮尺の読み方を1枚の表にまとめます。競合する解説は、外構図面向けには100分の1と50分の1、地積測量図向けには250分の1と500分の1を書いていて、同じ縮尺の一覧になかなか並びません。ここでは長さの列と面積の列を並べました。面積の列が本題です。
| 縮尺 | 図上1cmは実寸 | 図上1平方cmは実面積 | よく使われる場所 |
|---|---|---|---|
| 50分の1 | 0.5m | 0.25平方メートル | 納まり・細部の図 |
| 100分の1 | 1m | 1㎡ | 平面図の定番。外構の図面では表題欄に「S=1/100」のように書かれます |
| 150分の1 | 1.5m | 2.25平方メートル | 意匠図・配置図・断面図に比較的よく使われる縮尺だとする解説があります |
| 200分の1 | 2m | 4㎡ | A4判で全体の配置を描く側に選ばれがちです |
| 250分の1 | 2.5m | 6.25平方メートル | 地積測量図の縮尺として挙げられる値 |
| 500分の1 | 5m | 25平方メートル | 地積測量図や広い敷地の全体図 |
| 1000分の1 | 10m | 100㎡ | 区域全体の地図・大きな計画図 |
表の右半分が、図面から面積を読むときの本題です。地図の縮尺を解説するページは、2万5000分の1の地図では図上1cmが250m、だから図上1平方cmは250掛ける250で62,500平方メートルとしています。同じページで5万分の1なら図上1cmが500m、図上1平方cmは25万平方メートルになるとしています。縮尺が2分の1になれば、長さは2分の1、面積は4分の1になります。算数の教材側も、地図上の面積を実際の面積に戻すにはたてに25000倍、横に25000倍する必要があり、面積の場合は25000を2回掛けると説明しています。100分の1の図面で1回だけ掛けると、実際より100倍小さく読み違える計算です。
手計算の順番は、図上で長さを測る、縮尺を掛けて実寸に戻す、メートルに直す、縦と横を掛けて平方メートルにする、です。外構図面の作成解説には、車1台分の駐車スペースは少なくとも幅2.5m、奥行き5.0mの実寸が必要で、100分の1の縮尺で描くと図上では25ミリ×50ミリで表現される、数ミリの誤差が現実では数十センチのずれになる、という例が書かれています。逆方向、つまり図面から実寸へ戻す計算は、施工管理の実務ページで図面上の50mmは実物7,500mm(7.5m)としています。土木の教材は、長さ50mの橋を250分の1の図面に描くと50÷250=0.2mで、紙の上では200mmの長さで表現されるとしています。同じ教材には、A1判の模型を1000分の1で作った場合、表現されている土地の面積は0.504平方キロメートルという解答とあります。図上で切り出した区画を平方メートルに落とすまでを自動でやりたい場合は、庭の面積計算が入口です。
縮尺が書かれていない図面、あるいは縮尺を信用できない図面には、方眼を載せる方法があります。算数の教材で円の面積を求めるときに、1cmの方眼に分けて、内接する方眼と線上の方眼に数を分けて数え、線上の方眼は0.5平方センチメートルとして計算するという進め方が出ています。教材では、より正確を期すために0.5cmの方眼に分けて求めようとする様子も書かれています。方眼用紙を重ねて升目を数える方法は、実測の代わりに概算を出す手っ取り早い道で、角の丸い区画や湾んだ花壇の面積にそのまま使えます。方眼で出すのはあくまで概算で、実測した辺から面積を確定させる公式と手順は実測側のページが持っています。
| 原因 | 何が起きる | 確認のしかた |
|---|---|---|
| 壁芯と内法 | 建物の床面積は、壁芯で測ると内法より広く出る。不動産広告の言い分けでは5〜10パーセント程度の差が生じるとされています | その図面の面積がどちらの測り方かを書かせておく |
| 現況測量図と地積測量図 | 建築した時の図面は現況測量図であることが多く、境界を示した図面ではありません | 境界の線が必要なら地積測量図か確定測量図にあたる |
| 縮尺の読み違え | 150分の1を200分の1と混同すると、1mmの誤読で実寸15cmずれます | 表題欄の縮尺と用紙サイズをセットで読む |
| 印刷の拡大縮小 | A2判で作られた図をA3で印刷すると約71パーセント縮小になり、一般的なスケールで寸法を当たれなくなります | 印刷設定が実寸か、用紙に合わせるかを見る |
| 方眼概算の端数 | 升目の線上の扱いを間違えると概算がずれます | 数え直すか、実測した1辺と照合して当たりを外さない |
印刷まわりは、縮尺が壊れる原因の一番多い場所です。作図ソフトの公式FAQは、倍率を指定の入力欄に100パーセントと記述されていても、用紙サイズに合わせて印刷を行うため、寸法値が正しく印刷されないと書いています。PDF閲覧ソフトの多くも、印刷するプリンターの用紙に合わせて自動で拡大縮小の調整をするため、この機能が縮尺が合わない原因になると、外構の作図解説に出ています。A判からA判への変換は、A2サイズで作図された図面をA3サイズに印刷すると約71パーセント縮小されて印刷される、という実数が出ています。意図した拡大は別で、100分の1の図面を50分の1に拡大コピーしたい場合、100÷50=2で200パーセントの設定をすればよいと教材にあります。使う前にやることは一つです。図面に記載された寸法と目盛りが一致するかを一か所で確かめる習慣を、図面の読み方の解説が勧めています。
図面の縮尺は、種類によって使い分けられています。外構図面の見方を解説するページでは、縮尺は表題欄に「S=1/100」のように書かれていることが多いので、用紙サイズとセットで確認してくださいと注意されています。設計図の縮尺の読み方を扱う解説は、200分の1や300分の1は全体、100分の1は平面図、50分の1は納まり、20分の1以下は詳細図という分担を示して、同じ図面の中に違う縮尺が混ざる、用紙全体で1つの縮尺とは限らないと続けています。施主が受け取る図面は、A3で100分の1、A4で200分の1という組み合わせが近いので、縮尺の数字だけでなく、その縮尺で描かれた区画が図のどこなのかを見ることになります。
登記された図面側には、記録すべき事項が法令で決まっているというより強い足場があります。土地家屋調査士法人の解説は、不動産登記法第77条1項で地積測量図には縮尺、地積及びその求積方法、筆界点間の距離などを記録しなければならないと定められている、と条文を引いています。縮尺と求積方法が残る図面なので、登記された地積測量図から面積と求め方を逆に戻す道は閉ざされていません。同じ解説は、地積測量図は境界を測量して正確な面積を算出した図面、現況測量図は現況物を測量して現況面積を算出した図面、と区別しています。不動産会社の側は、地積測量図の縮尺は通常250分の1または500分の1などが使われる、と書いています。
図面から平方メートルが出たら、その先は二つの読み替えです。坪や畳で語りたい場合は単位換算の考え方に従い、区画を分けて足し直すなら実測側と同じ計算機が使えます。フェンスや縁石の長さを先に決めたい場合は庭のまわりの長さ計算が近く、図面の値と実地の値をどちらを信じるか決める前に、実測の検算を一度通しておくのが損得の分かれ目です。手順は庭の実測で失敗しない検算の手順にまとめてあります。
このページは図面の読み方に限った解説で、境界の確定や法的な面積の帰属は扱っていません。図面から出た面積は、登記の地積・建築基準法の敷地面積・広告の表示面積のどれにも自動でなっていません。単位系の読み替え方と出典の扱いについての方針はこのサイトについてに書きました。坪と平方メートルの往復は坪と平方メートルの計算でできます。