庭に敷いた砂利が沈むのは欠陥ではなく、砂利という材料の性質です。問題は、沈むこと自体ではなく、沈み方に差が出てでこぼことして残ることと、減った分の行き先が分からないことです。この二つは、公共工事が路盤の品質をどう数値で管理しているかを見ると、庭でも同じ物差しで扱えます。到達すべき締固め度が何パーセントなのか、それをどう測るのか、ほぐした砂利が締め固まると体積がどれだけ減るのか。この三つが分かれば、沈下は感覚ではなく数字で予測できます。必要な砂利の量は砂利必要量計算機で先に出しておいてください。

結論から言うと、砂利の沈下は「締固めが足りない分だけ後から沈む」という単純な仕組みです。公共工事はこれを締固め度という百分率で管理しています。国土交通省の品質管理基準及び規格値は、下層路盤の現場密度について次の規格値を定めています。

下層路盤の締固め度|国土交通省 品質管理基準及び規格値
項目規格値
個々の測定値最大乾燥密度の93%以上
10個の測定値の平均値 X1095%以上
3個の測定値の平均値 X397%以上
X3が規格値をはずれた場合、さらに3個を加えた6個の平均値 X696%以上
試験方法砂置換法(JIS A 1214)。最大粒径が53mm以下の場合のみ適用できる
測定個数1工事あたり3,000㎡以下は3個(3孔)以上。3,000㎡を超える場合は10,000㎡以下を1ロットとし、1ロットあたり10個(10孔)で測定する
歩道箇所設計図書による

ここで読める事実は三つです。一つ目、砂利や砕石の層は最大乾燥密度の93%まで締め固めるのが公共工事の到達目標であり、93%に届かない層は荷重が来れば必ず沈みます。二つ目、測定値がばらつく前提で、10個の平均では95%、3個の平均では97%と、サンプル数が少ないほど高い値を求めています。庭で数か所だけ測るなら、93%ではなく97%を基準にしないと合格と言えないということです。三つ目、その測定方法は砂置換法(JIS A 1214)で、最大粒径53mm以下という適用限界があります。化粧砂利の大粒は測定対象から外れるので、締固め度を測れるのは下地の砕石層です。

同じ品質管理基準は、路盤材そのものの強さも修正CBRで規定しています。下層路盤の粒状路盤は修正CBR20%以上、クラッシャラン鉄鋼スラグは修正CBR30%以上、上層路盤は修正CBR80%以上です。下層路盤と上層路盤で要求される値が4倍違うのは、上に行くほど荷重を直接受けるためです。庭で言えば、車が乗る部分の下地は上層路盤に近い扱いが必要で、歩くだけの花壇際とは要求水準が違います。

路盤材の修正CBR規格値|国土交通省 品質管理基準
層材料規格値
下層路盤粒状路盤修正CBR20%以上
下層路盤クラッシャラン鉄鋼スラグ修正CBR30%以上
上層路盤粒状路盤・鉄鋼スラグ修正CBR80%以上

次に、沈んだ体積がどこへ行くのかです。答えは消えるのではなく、隙間が詰まるだけです。国土交通省の施工パッケージ型積算基準の表2.2「土量の変化率」は、これを材料別に数値化しています。

土量の変化率|施工パッケージ型積算基準 表2.2
分類名称変化率L変化率C1/CL/C
レキ質土1.200.901.111.33
砂及び砂質土1.200.901.111.33
粘性土1.250.901.111.39

この表の注記は、1/Cは「締固め後の土量」を「地山の土量」に換算する場合に、L/Cは「締固め後の土量」を「ほぐした土量」に換算する場合に使用する、と定めています。砂利や砂にあたるレキ質土・砂及び砂質土のL/Cは1.33です。つまり締固めた後の1m³を作るには、ほぐした状態で1.33m³が要ります。逆に、ほぐした状態で1m³の砂利は、締め固めると0.75m³になります。体積で25%減る計算です。変化率Lが1.20、変化率Cが0.90なので、0.90÷1.20=0.75と求めることもできます。

この25%が、庭で起きる「減った」の正体の大部分です。トラックで運ばれてくる砂利はすべてほぐし状態なので、敷き均して転圧した瞬間に見かけの体積が減ります。敷く前に必要量を計算するときは、この差を見込むかどうかで発注量が変わります。号数ごとの粒度と比重は砂利・砕石の規格データ一覧にあり、下地に使う砕石の量は砕石必要量計算機で求められます。運び込みが何往復になるかは、体積ではなく最大積載量で決まるので、砂利の運搬と往復数の考え方を参照してください。

では、その締固めを庭でどう実行するか。転圧は原理で三つに分かれ、転圧の種類と機械を解説した記事は静荷重による転圧・振動による転圧・衝撃による転圧を挙げ、使う機械としてロードローラー・ハンドガイドローラー・プレートコンパクター・ランマーの四つを並べています。庭で現実的に使えるのは下位二つです。

転圧機械の3分類と庭での適合
機械締固めの原理庭での適合
ランマ(タンパ)衝撃人力で扱う。花壇の際や縁石沿いなど、プレートが入らない狭い場所
プレートコンパクター振動砕石の下地と砂利の仕上げの両方に使える。DIYでレンタルする現実的な上限
ハンドガイドローラー静荷重と振動通路や駐車場など、ある程度広い平面
ロードローラー静荷重庭には入れない。使わない

プレートコンパクターの実機規格を一つ挙げると、三笠産業のMVC-F30HWは機械質量38kg、転圧盤寸法385×290mm、振動数98Hz(5,900v.p.m)、遠心力4.9kN(500kgf)、最大速度25m/min、最大作業勾配35%(20度)、エンジンはホンダGX100で最大出力2.1kW(2.9PS)です。総重量38kgの小型・軽量設計とされていて、成人が片手で扱える範囲の機体です。この数字が意味するのは、庭の下地転圧は38kg級の機械で足りるということで、それ以上の機械は搬入経路の問題のほうが大きくなります。

締固めの目標値である93%や97%は、砂置換法で測る前提の数字です。その砂置換法に使う試料の締固め特性を決める試験が、JIS A 1210:2020「土の突固めによる締固め試験方法」です。JISの閲覧ページに器具の寸法が書かれています。

JIS A 1210:2020 突固め試験の器具規格
器具規格値
2.5kgランマー質量(2.50±0.01)kg、落下高さ(300.0±1.5)mmで自由落下
4.5kgランマー質量(4.50±0.02)kg、落下高さ(450.0±2.5)mmで自由落下
ランマー直径(50.0±0.1)mmで底面が平ら
100mmモールド内径(100.0±0.4)mm、容量(1 000±12)×10³mm³
150mmモールド内径(150.0±0.6)mm、スペーサーディスク挿入時の容量 2 209×10³mm³
スペーサーディスク直径(148.0±0.6)mm、高さ(50.0±0.2)mm

この表から分かるのは、最大乾燥密度は現場で勝手に決まる値ではなく、2.5kgか4.5kgのランマーを300.0mmか450.0mmの高さから落とし、決められた容量のモールドで突き固めた結果として定義される、ということです。庭で93%という数字を直接測ることはできませんが、93%が何に対する93%なのかは押さえておくと、業者が「転圧しました」と言うときに何を根拠にしているのかを問えます。

沈下と並んで多いのが、縁からのずれです。これは下地の問題ではなく、見切り材の高さと固定で決まります。グリーンフィールドのリサイクルエッジングは、庭で見切り材として使われる樹脂製エッジングの実規格を公表しています。

見切り材(エッジング)の実規格と用途
種類高さ実寸用途固定
アルミエッジ フォルテ 20約20mm長さ約6m(約2m×3本)防草シート見切・人工芝見切20cmアンカーピン10本
マーブルエッジ25約25mm長さ約295mm・幅約80mm・重さ約326g石の形を模した意匠見切連結部可動域 約60度
Qタイプ プラエッジ35約35mm長さ約6m(約2m×3本)防草シート見切・人工芝見切20cmアンカーピン10本
Lタイプ プラエッジ45約45mm長さ約5.4m(約1.8m×3本)ブロック見切20cmアンカーピン10本
ロックエッジ50約50mm長さ約830mm・幅約125〜140mm・重さ約3150g意匠見切連結部可動域 約100度
アルミエッジ フォルテ 50・Lタイプ アルミエッジ50約50mm長さ約6m(約2m×3本)ブロック・アスファルト見切20cmアンカーピン10本
ラバーキャップ付きロックエッジ50約53mm長さ約830mm・幅約131〜146mm・重さ約3700g意匠見切連結部可動域 約100度
アルミエッジ フォルテ 100・Vタイプ アルミエッジ100約100mm長さ約6m(約2m×3本)植栽帯・天然芝見切20cmアンカーピン10本
Vタイプ プラエッジ100約130mm長さ約6m(約2m×3本)植栽帯・天然芝見切30cmアンカーピン10本

高さは約20mmから約130mmまであり、固定は20cmアンカーピンと30cmアンカーピンの二種類です。選ぶ基準は単純で、敷く砂利の厚みより高い見切り材を選ぶと砂利が外へ出ません。厚み5cmの化粧砂利なら約50mm以上、下地込で10cmを超える通路なら約100mmか約130mmが必要です。注意したいのは、Vタイプ プラエッジ100という名前なのに高さが約130mmある点で、この製品だけ30cmアンカーピンが付属します。約100mmのアルミ系は20cmアンカーピンなので、ピン長が足りないと見切り材自体が傾きます。材質ごとの実寸と1mあたりの個数は先に挙げた規格データ一覧にあり、敷き方の段取りは庭に砂利を敷く手順が担当します。

ずれのもう一つの原因は水です。外構の水はけを改善する方法は、外構の設計段階で水勾配が確保されていないと雨水が自然に排水されずに滞ると指摘し、建物から外側に向かって1/50~1/100程度の勾配を設けることで自然に雨水を排水できるとしています。1/50は2%、1/100は1%です。10mの奥行きで10〜20cm下がる計算になります。勾配が足りないと水が溜まり、溜まった水が砂利の下の下地を緩め、そこだけ沈みます。勾配不足は水はけの問題であると同時に、局所的な沈下の原因です。

最後に「減る」の実務です。庭砂利が沈む理由と補充のタイミングを解説する販売店は、特に敷いた直後は変化が出やすく、最初の3か月ほどで「減ったように見える」と感じる方が少なくないと書き、砂利敷き後3か月は、最初の補充タイミングです、と明記しています。同じ記事は、砂利は定期的に補充しながら楽しむ庭材と考えるのがおすすめだと述べています。つまり砂利は敷いたら終わりの材料ではなく、消耗品に近い扱いを前提に設計する材料です。

砂利が「減る」ことへの実務的な備え
時期・場面起きること備え
敷設後3か月前後地面へ馴染み、歩行と雨の影響で沈む。最も「減ったように見える」時期最初の補充タイミングとして厚みを測る
その後の定期点検砂利は補充しながら使う庭材薄くなった場所だけを足す。全面やり直しは不要
最初の施工時防草シートや見切り材は後から入れようとすると砂利をどかす手間が大きいできるだけ最初の施工時に組み込む
補充の発注時ほぐした砂利は締め固めると体積が25%減る仕上がり厚みから逆算した量に、その分を見込む

補充の量を決めるとき、粒の大きさごとの沈み込み量の差が効きます。小粒ほど沈みが大きく、初期に敷く厚みも多めに要ります。この粒径別の沈み込み量と必要な初期厚みは砂利の種類と選び方に表があるので、ここでは繰り返しません。補充にかかる費用は砂利費用計算機で、材料単価と運搬費を分けて見積もれます。

  1. 1. 下地を締める

    下地の砕石層をプレートコンパクターで転圧する。公共工事の到達目標は最大乾燥密度の93%以上、3か所だけ測るなら97%以上が基準値です。

  2. 2. ほぐし体積で見積もらない

    L/C=1.33。ほぐした1m³は締め固めると0.75m³になります。仕上がり厚みから逆算し、25%減を見込んで発注します。

  3. 3. 見切り材は砂利厚より高く

    高さは約20mmから約130mmまで。敷く厚み以上の高さを選び、100mmを超えるものは30cmアンカーピンで固定します。

  4. 4. 勾配を1/50〜1/100で取る

    建物から外側へ。勾配不足は水はけの問題であると同時に、局所的な沈下を作ります。

  5. 5. 3か月目に厚みを測る

    最初の補充タイミングです。以降は定期点検として、薄くなった場所だけを足します。