「それ、ウッドチップじゃなくてバークチップです」というやり取りがSNSで話題になるほど、この2つは混同されています。違いは原料にあります。ウッドチップは木の幹や枝を丸ごと砕いたもの、バークチップは松の樹皮だけを砕いたもの。原料が違うため、粒の形、等級、耐久性、香りのすべてが別物になります。このページでは2つの違いを表にまとめ、さらに「どこに敷くか」で決まる敷く厚さと、その厚さで必要になる容量の考え方まで一気に示します。重さ・密度や1袋の容量の話は、それぞれ比重・密度データと資材の袋容量のページが持っているのでここでは繰り返しません。

いちばん分かりやすい違いは見た目です。ウッドチップは木の内側の色が多く出るため全体に白っぽく、粒は小さくて四角く、2〜4cm程度でサイズを選べず袋にミックスされた形で入っています。一方バークチップは樹皮の色が強く出るため濃い茶色や赤褐色で、粒に丸みがあり、1〜10cm程度の範囲から等級を選べます。ホームセンターの園芸コーナーで「白くて細かいのがウッドチップ、赤っぽくて大きく丸みがあるのがバークチップ」と説明されているのはこのためです(ミツモア、the Farm GARDEN大阪)。

原料・形状・等級の違い(出典:ミツモア/the Farm GARDEN大阪/遠藤工業)
項目ウッドチップバークチップ
原料木の幹や枝(木材)を丸ごと砕いて加工する。杉・ヒノキ・ヒバ・クスノキなど多数松の木(主に赤松・黒松)の樹皮を砕いて加工する
見た目木の内側の色が出て白っぽい。小さくて四角い粒樹皮の色が強く出て濃い茶色や赤褐色。粒に丸みがある
1粒のサイズ2〜4cm程度。選べず袋の中にミックスされて入る1〜10cm程度。3S・2S・S・M・Lから選べる
等級の長さ目安等級分けされない3S=1cm・2S=2〜3cm・S=4cm(ウッドチップはこのくらい)・M=7cm・L=10cm
割れ・とげ割れや欠けが多く、とげができやすい割れや欠けが少なく、とげができにくい
耐久性分解と腐敗が早く、入れ替えや足し込みが必要樹皮の硬い部分を使うため、ウッドチップより腐りにくく長持ち
香り・効果ヒノキは香りが高くリラックス効果が期待される。杉は抗菌、クスノキやヒバは防虫向きとされる松の樹皮。防虫・防臭が挙げられ、盆栽でコガネムシを避ける目的で使われる例がある

等級は「見た目の話」ではなく用途の話です。同じバークチップでも、花壇のグランドカバーには大きめの粒、鉢植えの表面を飾るには3S(1cm程度)が向くとされます。粒が大きいほど1粒の存在感が出て庭を引き締め、粒が細かいほど鉢面や狭い場所に馴染みます。逆に、大粒ばかり使うと雑草抑止効果は下がると指摘する解説もあります(Yahoo!ニュース エキスパート)。つまり等級選びは「雑草を抑えたいのか、見せたいのか」で決まります。

どっちを選ぶ?目的別の選び分け
目的・場所選ぶ方理由(出典の言いぶり)
雑草を抑えたい・長く持ちさせたいウッドチップ耐久性、雑草抑制効果を重視するならウッドチップ(遠藤工業)
見た目・香り・軽さを大事にしたいバークチップ見た目、香り、軽さを重視するならバークチップ(遠藤工業)
ドッグラン・通路・子どもの遊び場厚さを確保できる方踏み面はクッション性が必要で、10cm程度が目安(遠藤工業)
花壇や庭木の足元を見映えさせたいバークチップ色が土に近く地面との違和感がない。形が整って見える(遠藤工業/Yahoo!ニュース エキスパート)
鉢植えの表面・狭いスペースバークチップの細かい等級装飾用途は小さい粒、グランドカバーは大きめを使い分ける(ミツモア)
屋内など通気がない場所どちらも慎重にバークは水を含む性質のため、通気のない場所ではカビが生える可能性がある(Yahoo!ニュース エキスパート)

性質の対比は、業者の説明と庭木屋の解説で方向が揃っています。遠藤工業はウッドチップについて「長期間の使用が可能で、保水性・排水性に優れ、雑草抑制にも効果的」と説明し、バークチップは「見た目が美しく、軽量で扱いやすく、針葉樹の香りがある。ただし保水性・排水性はウッドチップより低い」としています。the Farm GARDEN大阪の解説でも、ウッドチップは分解が早く、バークチップは木の皮で硬いため腐りにくく長持ちするという向きは同じです。価格の方向は出典が限られるため、このページでは扱いません。

補充の間隔は、出典によって幅があります。遠藤工業はウッドチップが1〜2年かけて土へ還り、そのたびに買い足す必要があるとしています。一方 the Farm GARDEN大阪は、3年か4年に一度のタイミングで追加する運用を紹介しています。敷く厚さ・踏まれる頻度・日当たりで変わる数字なので、一つの年数に決めて書かない方が安全です。共通するのは「分解が早い」という性質だけで、細かく砕いて土に還る使い方をしたい場合は、さらに粒度の細かいタイプが向きます。

さて、ここでいちばん多い失敗が「厚さを決めていない」ことです。何リットル買うかは、面積と厚さから決まります。遠藤工業が用途別に出している厚さの目安と、それを当サイトの計算式(面積×厚さ=体積、体積×1000=リットル)に当てはめた必要容量が下の表です。この体積の式は、当サイトのバークチップ・マルチング材必要量計算機が使っているものと同一です。

用途別の敷く厚さと1㎡あたりの必要容量(厚さは遠藤工業、容量は当サイト計算)
用途敷く厚さの目安1㎡あたり(L)10㎡あたり(L)
庭のマルチング・草木の保護・土壌の保湿5〜7cm50〜70500〜700
同じ用途で下限から試す5cm50500
ドッグラン・通路・子どもの遊び場10cm程度1001,000
遠藤工業が挙げる一般的な幅5〜10cm50〜100500〜1,000

表の厚さについて、当サイトの計算機が初期値に置いているチップ系の目安は3〜5cmです。これはリットル売りの資材を薄く敷き均して地面を覆う前提の厚さで、上の表が前提にしている踏み面や保護用途とは目的が違います。遠藤工業が用途別に出す厚さは5〜7cm、踏み圧のかかるところは10cmという整理になります。だからどちらか一方が間違っているのではなく、「踏む場所か、見せる場所か」で選ぶ値が変わる、と読むのが正しい扱い方です。迷う場合は計算機の余裕率の設定とあわせて、敷き均し後に沈む分を見越して決めてください。面積が決まっていない場合は庭面積計算機で先に測ります。

  • 1.目的を決める

    雑草対策、美観向上、ドッグランなど、目的によって選ぶ資材と敷く厚さが変わります。最初に目的をはっきりさせます(遠藤工業)。

  • 2.場所を選ぶ

    日当たり・風通し・水はけを考えて資材が長持ちしやすい場所を選びます。燃えやすい資材なので、火を使う場所の近くは避けます(遠藤工業)。

  • 3.敷く厚さを決める

    上の用途別表を目安に厚さを決めます。厚さにムラが出ると見映えも雑草の抑え方も崩れます。

  • 4.下地処理をする

    雑草を取り除き、地面を平らにします。この時点で下に防草シートを敷いておくと雑草を防ぐ効果が高まるとされています(遠藤工業)。シート自体の幅・厚さ・重ね代などの諸元は防草シート必要量計算機側が持っています。

  • 5.チップを敷く

    決めた厚さにムラが出ないように、しっかりと敷き詰めます。

  • 6.踏み固める

    敷き詰めたら軽く踏み固め、表面を平らにしてチップ同士を密着させます。ここを飛ばすと、歩いたときにチップが四方へ逃げて薄くなります。

虫の心配についても、出典にある言いぶりを伝聞で置いておきます。市販のウッドチップはシロアリが巣をつくらない1cm以下のサイズにきちんと粉砕されているため、市販品では問題にならないとする解説がある。樹皮のバークチップはシロアリが樹皮を食べないため寄り付きにくいという、同じ解説もあります。コガネムシは土に潜り込んで産卵しますが、バークチップが邪魔をして土と接触できなくなるので、盆栽を扱う人が避けるために使う例もある。と続けています(Yahoo!ニュース エキスパートの造園解説)。ただしこれは研究者の試験結果ではなく個人の体験を含む見解で、シロアリが湧くのは知識のない人が廃木を適当な大きさで砕いて作ったウッドチップだと同じ解説は注意を呼びかけています。庭の周りなら市販品を選ぶ、という読み方で十分です。

なお、名前に「バーク」が付く資材には、バークチップのほか、さらに細かく砕いたマルチバークと呼ばれるものもあります。呼び名が似ているので、購入時は袋の表示で原料(樹皮か、木材か)と粒度を確認してください。資材の選び分けが決まったら、必要になるのは容量と袋数です。リットルと袋数の計算は上に貼った必要量計算機でできます。重さの目安は資材の比重・密度データ、袋・フレコン・パレットといった購入単位の実測値は資材の袋容量と購入単位がそれぞれ担当しています。このページは原料と厚さの違いだけを持ちます。