人工芝を自分で敷くとき、工程の並びはどの業者のページでもほぼ同じです。違うのは数字の部分で、継ぎ目の隙間ひとつとっても「2〜3mm」「約5mm」「最大でも5mm」「くっつけるか2〜3mm開けるか微調整」と4つに分かれています。固定ピンの間隔も30センチ程度、50cm間隔、1mほどの3系統があり、同じ物差しで書かれたページは見当たりません。そこでこのページでは、材料の量と仕上がりに直結する5項目に絞り、数値を出典の名前と物差しを添えて幅のまま並べました。中央値も単一の正解も作りません。金額、人工芝の材質の規格値、長持ちする期間は他のページが持っています。

まず、どこが割れているのかを整理します。施工手順を公開しているページを複数読み比べると、数字が異なるのは次の5点です。下地の勾配の取り方、継ぎ目に空ける隙間、固定ピンの間隔と1㎡あたりの本数、珪砂を入れる量と置く場所、そして夏場の表面温度です。1点目の勾配は「1mあたり1〜2cm」というcm毎の表記しか出典になく、敷地の広さ別の高低差を書いたページがありません。2点目の隙間は4つの言い分が並びます。3点目の本数は、間隔の言明はあるのに面積への換算式がありません。4点目の珪砂は置き場所が全体と外周で分かれます。5点目の表面温度は、同じ人工芝でも素材別の表がページごとに違っています。このページは、その5点を表にして並べ、必要な計算だけ当サイトで足しました。

工程は、既存の植栽と下地の撤去、整地、路盤材を敷いて転圧、防草シートを敷く、人工芝を仮敷きして採寸、裁断、継ぎ目の調整、ピンで固定、珪砂で仕上げてブラッシング、という順です。このうち下地に時間が集中します。下地工事を公表している業者の説明では、全行程のうち約7割の時間がかかると説明しているページもあります。逆に、人工芝を貼る作業自体は全体の3割以下だと同じ業者が書いています。この割合は1業者の実績にもとづく数字なので、ここでは伝聞として載せるに留めました。

下地に使う材料の厚みと粒径(出典に数値がある項目だけ・単位つきの言い分を併記)
項目数値と言いまわり出典の言い分注意点
砂利・砕石の粒径砂利を下地にするなら粒径30mm以下の小さな砂利、30mm以上を含む大きな砂利は取り除く人工芝の施工解説ページ2件に同じ数値がある角が丸い砂利だと人工芝が安定しにくいという説明が続く
山砂の厚み約3cm水はけが悪い柔らかな土で、下地材として山砂を約3cmの厚さで施工する業者がある山砂は排水性と保水性を併せ持つ砂と説明されている
排水層の厚み約10cm砕石で水が流れる空間をつくり、厚みは一般的に約10cmが推奨とされています用途と敷設する場所で変わり、表面の勾配だけでは排水は決まらない
下地がコンクリートの場合勾配と凹凸の有無で判定透水性は求められないので、勾配がついていることと凹みがないことが条件になる上の3行の厚みは土の地面を前提にした数値
転圧砂利を平らに固めるまで敷いて終わりではなく、ならして圧縮して平らに固める工程が重要とされるこれを怠ると表面が凹み、水の流れが滞る原因になる
下地の高低差早見(出典にある1mあたり1〜2cmを辺長へ掛けた値・5mと10mは当サイトの計算)
一辺の長さ1mあたり1〜2cmを掛けた高低差数値の出どころ
2m2〜4cm出典に2mの例はないので、当方が1〜2cmを2に掛けて求めた値
3m3〜6cm3mの庭なら端から端まで3〜6cmほどの差をつけるという例が出典に実在する
5m5〜10cm出典に5mの例はないので、当方が1〜2cmを5に掛けて求めた値
10m10〜20cm出典に10mの例はないので、当方が1〜2cmを10に掛けて求めた値

勾配の目安として、外構の解説では1mあたり1〜2cmの傾斜が目安だとされています。別の人工芝の解説ページも同じ1mあたり1〜2cmを書き、さらに3mの庭の例まで挙げています。出典が持っているのはcm毎の言明だけなので、このページでは辺長を掛けた早見表を作りました。2mと5mと10mの列が当サイトの計算だという点を表に明示しています。百分率で書き換えた表記は砂利のページが担当しているので、ここでは使いません。水平器や糸を張って測ながら進めるという手順も、同じ出典に書かれています。

固定ピンの間隔から本数へ(50cm間隔だと1辺1mで3本・1㎡で9本、面が連続すると本数は揺れる)
条件式本数ただし書き
1辺1mの区画に50cm間隔100÷50+1=3本/辺 → 3×39本資材を販売するページの「1辺1mの正方形に50cm間隔で9本」を再現した
2m×2mの全面に50cm間隔の格子(200÷50+1)×(200÷50+1)=25本、25÷46.25本/㎡区画が小さいほど隣とピンを共有できないので、㎡あたりは増える
4m×4mの全面に50cm間隔の格子(400÷50+1)×(400÷50+1)=81本、81÷165.06本/㎡面の内部で境界を共有するため、1辺1mの9本とは一致しない
5m×8mの全面に50cm間隔の格子(500÷50+1)×(800÷50+1)=187本、187÷404.67本/㎡面が広いほど下がるので、単一の㎡あたり本数は発明できない
外周だけ・4m×4m・50cm間隔1600÷5032本外周は閉曲線なので、格子にある+1を足さない
外周だけ・4m×4m・30cm間隔1600÷30=53.3約54本外周を30センチ程度の等間隔で留めるという説明がある
外周だけ・4m×4m・100cm間隔1600÷10016本防草シートの周囲は1mほどの間隔で打つという説明がある

ピンの間隔は、人工芝の周囲と継ぎ目を50cm間隔で打つという施工手順、外周を30センチ程度の等間隔で留めるというDIY解説、防草シートの周囲を1mほどの間隔で固定するという手順の3系統があります。同じ物差しで書かれていないので、上の表は間隔を列に分けて本数を出しました。16㎡ほどの庭で150本用意するという説明があり、当方が1辺1mの9本から掛け算すると144本になります。差の6本は、切りが良い数字にした見込みや予備を含む値と読めますが、出典に理由の記載はないので断定しません。本数を決めるときは、人工芝の計算機で面積と枚数を確認してから、この表の間隔を選ぶ順になります。 打つ場所にも言い分があります。外周以外には打たない、というDIY解説があり、理由は釘が浮いて人工芝がずれたりめくれたりし、転倒時の怪我につながるからです。資材を販売するページは、人工芝の周囲は列と平行になるように、継ぎ目は2枚をまたぐように固定するとしています。U字釘は15cm程度の長さがあるので、埋設配管がある庭では位置の確認が必要だと注意を呼びかけているページもあります。

継ぎ目の隙間(4言い分・出典名つき・中央値も最多も作らない)
出典隙間その理屈
施工手順を公開する業者2〜3mmほど離して繋ぐぴったり繋ぐと継ぎ目のボリュームが盛り上がってしまう
資材を販売するページのDIY解説約5mm間隔をあけるのがベスト多少のずれはあるため、合わせたらズレないようにU字ピンで打ち込む
施工実績を公開する業者2〜3mm、最大でも5mm人工芝同士は数ミリ程度隙間を空けて施工する
同じ業者の継ぎ目の特集くっつけるか2〜3mm開けるか、微調整して決める芝の密度が高いと、ぴったりだと盛り上がることがある
外構会社のページ数値の指定はない離れすぎると下地が見え、くっつきすぎると盛り上がって目立つ
  • 下地の3条件

    継ぎ目を目立たせない下地として、平らであること、水はけが良いこと、固いことの3つが挙げられています。数値の指定はないので、上の勾配早見と転圧の行で判断することになります。

  • 仮敷きと仮止め

    本裁断の前に仮敷きして向きをそろえ、1枚ごとにピンで仮止めしてから継ぎ目の位置を決める、という手順が書かれています。縫い目同士を等間隔にそろえる調整も、この段階で行います。

  • ジョイントテープ

    両面タイプと片面タイプの2種類があり、施工例ではそれぞれ貼る箇所の数が数えられています。接着後の乾燥時間、固化までの待ち時間、重さを載せる期間を示す数値は、取得できたどのページにもありませんでした。製品の指示どおりに扱う、としか書けない項目です。

  • タッカーとカッター

    固定道具としてタッカーに触れる解説は、取得した本文には見当たりませんでした。裁断は安価なカッターでもできますが、刃のこまめな交換が前提だと複数のページが書いています。数値を発明しないほうが安全な項目です。

  • 役割は2系統

    ひとつは乾燥収縮を防ぐという説明、もうひとつは人工芝に重さを加えてめくれさせないという説明です。硅砂とも書かれますが、このページでは珪砂で統一しました。

  • 置き場所は2通り

    全体に撒くという手順と、外周、つまり人工芝とコンクリートの境目に敷き詰めてめくれを防ぎ、見た目も整えるという手順があります。駐車場など負荷がかかる場所だけ珪砂を使うという説明もあるので、置き場所は施工場所の条件で分かれています。

  • 入れる量

    珪砂を入れる目安は、1平米あたり約15kgだとされています。ただし同じ文に、高さ10mmのタイプの場合という条件が付いています。比重を示す出典がないので、体積や個数へは換算していません。

夏場の表面温度(素材別帯を4出典で幅併記・単一の最高値を作らない)
素材・条件表面温度の帯出典注記
一般的な人工芝(真夏の炎天下)60〜70℃施工ブログの実験紹介素足では歩けないほど熱い、と表に書かれている
人工芝(気温35℃を超える日)50〜60℃芝生関連の解説コラム日陰や水撒きですぐに下がる性質も同じ表にある
一般的な人工芝(散水なし)50〜65℃業界団体のデータを引用する業者ブログ引用元の一次資料は未取得なので、引用である点を残した
天然芝35〜40℃同上の施工ブログ葉からの蒸散で上がりにくい
天然芝28〜35℃同上の業者ブログ同じ素材で別出典の値が3℃以上低い
アスファルト55〜65℃外構の解説コラム夜まで熱が残る
アスファルト60℃前後同上の業者ブログ同じ条件で別の言い方をしている
コンクリート55〜70℃同上の業者ブログ人工芝より高温側で幅が広い
土40〜50℃外構の解説コラム乾燥すると温度が上がる
ウッドデッキ45〜55℃同上樹脂か天然木か、色で大きく変わる
遮熱加工の人工芝(散水なし)50〜55℃施工ブログの実験紹介散水なしで5〜10℃低い、という製品側の説明もある
遮熱加工の人工芝(散水なし)40〜52℃同上の業者ブログ50〜55℃と重ならない
遮熱加工の人工芝(散水後)30〜40℃同上の業者ブログひんやり近い、と評価されている
散水直後30〜35℃施工ブログの実験紹介実測例は32℃、37〜44℃、38℃、30〜35℃と4つあり、40℃前後までを含む

表の幅をそのまま読むと、人工芝の最高値は60〜70℃、50〜65℃、50〜60℃の3系統になります。遮熱加工ありでは50〜55℃と40〜52℃の2系統があり、この2つは重なりません。散水後は30〜40℃前後まで下がる例が4つ揃うので、このページでは散水・打ち水後を30〜40℃の帯にまとめました。実測では、気温33℃の晴天時の午後2時に散水前62℃だった面が、約5分間のミスト散水で直後32℃まで下がった例、散水前の58〜63℃が水をかけた直後に37〜44℃へ下がった例、15〜20℃の低下に相当すると書かれた例があります。保水性の充填材を使うと45分後に38℃前後を維持したという比較もあり、何も対策しない面は15分で50℃近くまで戻ったとされています。冷たさが続く時間は30分〜1時間という言明と、猛暑日は1〜2時間おきに繰り返すという言明があります。使う30分前に散水する、が実務のまとめ方です。 素材の耐熱も確認しておきます。人工芝の芝葉のほとんどはポリエチレンで、耐熱性は90〜100℃とされています。炎天下の温度自体は耐えますが、窓の反射熱が加わって溶けた部分ができる例がある、と資材を販売するページが書いています。ポリプロピレンはポリエチレンより耐熱性がある製品がある一方、肌触りが悪いという短所も同じページに書かれています。人の体感では40℃を超えると不快になり、50℃以上では低温やけどのリスクが生じます。人工芝の表面は50℃台になりうるので、夏は素足で歩かない判断が前提になります。

  • 隙間を1値に決めない

    継ぎ目の隙間は、出典によって2〜3mm、約5mm、最大でも5mm、微調整の4つに分かれています。自分の庭の芝葉の密度で決めるので、上表の言い分を消さないでください。

  • ピン本数を㎡あたり1値にしない

    1辺1mの区画で9本、連続した面では5.06〜6.25本/㎡、外周だけなら周囲÷間隔、と物差しが違うため、単一の㎡あたり本数は作れません。

  • 勾配は辺長で掛け算

    1mあたり1〜2cmしか出典にないので、庭の広さに掛けた高低差まで自分で決めます。このページの早見表が使えます。

  • 珪砂は条件を読む

    約15kgという目安は、高さ10mmのタイプという条件つきの数字とされています。別の高さの製品で同じ量を前提にしないでください。

  • 規格値はこのページにない

    人工芝と防草シートの材質の諸元は規格のデータページ、防草シートの重ね幅やピンの施工数値は防草シートと砂利の敷き方、砂利の量と粒径の選び方は砂利の敷き方が持っています。